軟包装用フィルムの食品パッケージ試作をUVプリントでスピーディーに

有限会社ディスプコガ   |   千葉県

軟包装用フィルムの食品パッケージ試作をUVプリントでスピーディーに
使用製品:
UV-LEDプリンター LEC2-330
アプリケーション:
食品パッケージ試作

食品パッケージのデザインを主な業務とする有限会社ディスプコガ様は軟包装パッケージのダミーサンプルを内製することで、他社との差別化を図ってきました。2008年にはローランド ディー.ジー.の「LEC-300」を導入し、軟包装用フィルムに直接UVプリントして、効率よくダミーサンプルを作れるようになりました。その後継機として、2022年に導入された「LEC2-330」がどんな働きをして、どのような変化をもたらしたのか、古賀 喜実 社長に伺いました。

代表取締役 古賀 喜実 様

代表取締役 古賀 喜実 様

軟包装パッケージのダミーサンプルを内製できる強み

フィルムにデザインをUVプリントしたものに現物を包装したダミーサンプル

フィルムにデザインをUVプリントしたものに現物を包装したダミーサンプル

当社は1978年に創業した、食品パッケージのデザインを主な業務としたデザイン会社です。先々代が昭和初期に興したデザイン会社がルーツで、先代が当社を創業しました。そのため、東京都内の老舗など、現在まで長くお付き合いのある顧客も少なくありません。食品パッケージには紙器やフィルムなどの包装がありますが、軟包装フィルムの場合には印刷会社や商社などからデザインの依頼があると、デザイン制作→ダミーサンプル(試作品)提出→OKが出ればデータ納品→印刷会社がグラビア印刷でフィルムに本印刷、という流れで作られます。他社の多くはデザインだけで、ダミーサンプル製作を印刷会社に依頼していますが、当社では昔からデザインだけでなく、ダミーサンプルを社内で作ってきました。内製することで細かな修正や納期短縮できることを強みとして、他社との差別化に繋げてきました。その結果、印刷会社や商社などから多くのデザインの仕事をいただくようになりました。

試し刷りの丁寧な対応とプリント品質が決め手

約30年前は手作業でダミーサンプルを作製していましたが、徐々にデジタル化を進め、2006年にローランド ディー.ジー.の溶剤プリンターを導入し、全面デジタル化に移行しましたが、インクが溶剤なので、フィルムにプリントしてから乾燥時間が必要という問題を抱えていました。その後、事務所の移転を機に、発売されたばかりのUVプリント&カット機「LEC-300」を2008年に導入しました。導入前には他社機と比較しました。当社では女性社員が機械を操作することが多いため、インクの臭いが服に付くことを嫌がります。その臭い対策はもちろん、プリントしてみたい様々なフィルムメディアへの試し刷りなど、事細かに対応してくれたのがローランド ディー.ジー.でした。もちろん、プリント品質が高かったことも導入の決め手の1つです。

プリント直後にダミーサンプルが作れるのでスピード感が向上

バイヤーなどが来場する食品展示会用のパッケージサンプルとして20枚程度の注文があることも

バイヤーなどが来場する食品展示会用のパッケージサンプルとして20枚程度の注文があることも

「LEC-300」は導入直後からダミーサンプルのプリントにフル稼働していました。その後、次機種「LEC-330」の導入を経て、その機械がリースアップを迎えたタイミングの2022年7月に、最新機種であるUVプリント&カット機「LEC2-330」を導入しました。従来機の使い勝手がよかったこと、プリント品質も満足している現状より向上していたため、他社機を検討する理由もありませんでした。食品パッケージデザインのサイクルは早く、デザインの注文が入ってから最速10日ほどでデータを納品し、翌週にはスーパーやコンビニ、量販店の棚に商品が並ぶこともあります。溶剤プリンターでプリント後、乾燥に時間がかかるのは大きなロスでした。それがUVプリンターならプリント直後にダミーサンプルが作れるので、スピード感がダントツに向上しました。また、「LEC2-330」で出力したカンプが印刷会社での本印刷時の色見本として活用されているほど、色表現も優れています。

LEC2標準モードの画質が従来機の高品質モードと同等に

正面奥が「LEC2-330」、左手前が溶剤インクジェットプリンター「VS-300i」

正面奥が「LEC2-330」、左手前が溶剤インクジェットプリンター「VS-300i」

前機種と比べてフィルムのセットが簡単になり、操作する社員の負担が軽減されたことや、クリーニングする箇所が少なくなるなど、使い勝手が向上しました。また、プリント品質がさらに良くなったことも大きなメリットです。「LEC-330」の高品質モードでプリントした仕上がりと、「LEC2-330」の標準モードでプリントした仕上がりを比べても、ほとんど差がありません。その分、従来よりプリント時間が短縮できました。また、社員全員にデータ作成や色合わせの方法を覚えてもらった結果、今では全員が「LEC2-330」を扱えるようになりました。それほど操作が簡単なのも嬉しいポイントです。

プライマーを活用して剝がれやすい薄いフィルムに挑戦

食品パッケージの軟包装フィルムは、本印刷ではインク受容層のあるOPPやCPなどにグラビア印刷します。しかし、ダミーサンプル用に本印刷用のフィルムを手に入れることが難しいため、インク受容層のないフィルムに印刷することがあります。それが薄いフィルムだとプリントして1、2日後にインクが浮いて剥がれる場合があります。「LEC2-330」にはプライマーが搭載されているので、こうしたインクが剥がれやすかった薄いフィルムへのプリントを考えています。

有限会社ディスプコガ様公式サイトhttp://dispkoga.com/

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