UVプリント技術を磨くことで他社が真似できない商品が作れるように

創業50年のプラスチック成型会社よりメーカー及び商品開発部門を独立し、2011年に設立。30年以上蓄積した高度な成型技術、ノウハウがあり、独自に開発した多数のオリジナル商品があります。

代表取締役　浅野 達生 様

LEFシリーズの導入で全商品の約70％を自社プリント

全国の雑貨・玩具販売店で人気のオリジナル商品「ブロックカレンダー」

国内生産にこだわり、有名作家やキャラクターのライセンスを取得して作った商品や独自開発したオリジナル商品、OEM製造など幅広いプラスチック製品を手掛けています。

プラスチック製品には印刷が必要な場合がほとんどで、約80％のプリントを外注に出していました。やがて内製化による利益率アップやプリント技術習得による競争力の獲得が必要だと感じ、2016年にローランド ディー.ジー.の「LEF-300」を導入しました。

導入前は様々なメーカーを検討しましたが、LEFシリーズなら提供する商品に他社との違いが出せると考えました。また、印刷クオリティと生産性の高さ、メーカーへの信頼が厚かったことも導入の決め手になりました。
そして2021年には「LEF2-300」を追加導入しました。これまで使ってきたLEFシリーズの品質に満足していたので、機種選びは迷いませんでした。

初めてUVプリンターを導入してから6年間、プリント技術を磨き続けてきました。UVプリントを内製化した現在でも、外注先が優れた技術を持っていたり、素材や形状など条件よってはプリントを外注することがあります。しかし、社内にUVプリンターがあることで、外注先の現場でどんな問題が起こるのかが分かります。それを知った上で外注に出せる意義はとても大きく、外注先でトラブルが起きた場合でも、自社で作業工程を組み直して対応にあたります。
その感覚を製造スタッフが持てるようになったのも、LEFシリーズを導入した成果のひとつです。今では全商品の約70％を自社でUVプリントしています。

簡単に見えるガラス瓶へのUVプリントは他社が真似できない

試行錯誤を繰り返し、インクが剥がれないガラス瓶へのUVプリントが可能に

UVプリンターを所有している業者は他にも多くあるので、自社技術を磨くことが重要です。LEFシリーズ導入直後に、ガラス瓶にUVプリントできないかと相談がありました。簡単そうに見えましたが、実際にプリントしてみると、表面にコーティングが施されていたためにインクが剥がれてしまいました。そこから試行錯誤を繰り返し、様々なプライマーを研究し、今ではインクが剥がれないガラス瓶へのUVプリントが可能になりました。
このように、簡単にできそうで他社が真似できない技術を持つことに価値があると感じています。その技術を認めてくれるお客様は1回だけの注文ではなく、長いお付き合いになります。そうしたお客様が徐々に増えてきたことも、当社にとって嬉しいことです。

2021年、「LEF2-300」と同時に導入したのがレーザー加工機です。UVプリンターとの組合せと言えば「アクリルキーホルダー」が思いつきますが、当社が取り組んでいる主な使い方は、ディスプレイ制作です。

UVプリンターとレーザー加工機で店頭ディスプレイ＋商品を提案

UVプリンターとレーザーで作った店頭ディスプレイ

当社ではオリジナル商品のブロックカレンダーや各種キャラクター商品を製造し、それが取引先である全国の雑貨・玩具販売店の売り場に並びます。近年、販売店側から「商品だけでなく、ディスプレイもセットで提案してほしい」とオーダーが入るようになりました。その要望に応えるために店頭ディスプレイを設計しましたが、レーザーカットや曲げ加工を外注するとコストが合わないため、内製化を選びました。今後は「LEF2-300」とレーザー加工機で作る店頭ディスプレイや、そのまま店頭に置けるパッケージを含めた商品提案を積極的に行っていきたいと考えています。

設備投資は短期的に見るとリスクですが、それによって外注するより小回りが利くようになり、小ロット対応が可能になります。当社は元からプラスチック製品の成型からプリントまで、小ロット対応が得意なので、その部分もUVプリンターとマッチしました。他社に頼むと中国生産で最低ロットが1,000個から。当社なら国内生産で100個から受注できます。

技術と経験を活かした他社にはない独自の提案力

LEFシリーズを導入したことで製造スタッフの商品作りの意識が変わった

数が多くなっても、パーツ別にシルク印刷を外注したり、社内でUVプリントしたりと、これまでの技術と経験を活かし、お客様に最適なプリント法を提案できるのも強みです。他にも、環境にやさしいバイオマスプラスチックにUVプリントした商品を新たに展開して、様々なメーカー様から問い合せを頂けるようになりました。

LEFシリーズの導入は、内製化による利益率アップや小回りの利く対応などの表面的なメリットだけでなく、作業工程の組み立て方やプリント法の提案など、製造スタッフの商品作りの意識を深い部分から変えてくれたと感じています。