精度が高いLEFシリーズで工業用製品の量産に成功

2016年創業。最新設備と蓄積された技術により、様々なメディアへの印刷やレーザーカット加工を受注しています。素材・インク・形状によって最適な印刷方法を提案。特許技術を複数持ち、それを活かした様々な加工をおこなっています。

代表取締役　細矢 伸人 様

「塗料のプロと印刷のプロ」両方の知識を持った会社に

ローランド ディー.ジー.の先進性とセンスの良さから信頼が持てると感じ、製品導入を決意

当社では工業用塗料の販売をおこなっています。塗料は色や機能性、塗装方法などが複雑で、かなりの知識と技術が必要です。
それを他の業界に役に立てられないかと考えていた時、塗装の剥げた筆記具を見つけたことから、剥がれない塗料を作って筆記具メーカーに声をかけました。
筆記具は塗装の上から社名やロゴが印刷されています。そこで、塗料開発だけでなく印刷まで手掛けようと考えました。

塗料メーカーは印刷のプロではなく、印刷会社も塗料のプロではありません。塗料の知識がある私が印刷を手掛けることで、両方の知識を持った会社が作れるのではと、2016年にWEDGEを設立しました。

最初に導入したのはパッド印刷機でしたが、パッド印刷をおこなっている会社は珍しくありません。他にはない機械をと調べて、UV-LEDプリンターの存在を知りました。
他にも溶剤プリンターなど様々な種類がありましたが、UVプリントが面白いと感じて3社のメーカーを検討。そしてローランド ディー.ジー.のクリエイティブセンターを訪れた際、その先進性とセンスの良さから信頼が持てると感じ、LEF-300の導入を決めました。

LEFシリーズを使って工業用製品の量産を成功させる

プリント精度の高さには絶対の信頼を置いている

導入当初はLEF-300の使い道が決まっておらず、ローランド ディー.ジー.の担当者に他ユーザーの使用例を聞きましたが、キーホルダーやスマホケースへのプリントが多く、ピンときませんでした。そこで、工業用製品の量産をやっているユーザーはほとんどいないと聞いて、挑戦しようと決めました。

そこからLEF-300で楽しみながら様々な試作をおこないました。そんな時、発売されたばかりの加熱式タバコを見て、このケースを作れば売れると考え、金型を起こしてケースを作って塗装し、UVプリントしようとしました。塗料の上にUVプリントできないことが、工業用製品の量産にLEF-300が使われていない理由の1つだと思ったからです。

手作業の代わりにLEFで0.6mmの溝に0.57mmの色入れ

特許技術を活かした高精度の色入れプリント

UVインクが密着するように調整した塗料でケースを塗り、その上からLEF-300でクリアインクをプリントしようと考えました。一度に複数個のケースを治具に並べてプリントしようと、原点で位置合わせしたところ、プリントがズレてしまいました。毎回同じ位置に治具をセットするためのパーツも作りましたが、それでもプリント位置がズレます。

はじめはLEF-300のプリント精度を疑いましたが、写真をあれだけキレイにプリントできるので、問題は機械ではなく治具にあると感じました。よく調べたところ、原因は治具を取り付けるネジとテーブルの穴との間のわずかな隙間にあるとわかりました。治具に問題を残しつつも、ひとまずケースへの印刷は成功し、売れ行きも好調でした。

その後、あるメーカーから大量の工業用部品の溝に色入れができないかと相談されました。0.6mmの溝に0.57mmの色入れをしたいという依頼で、従来は注射器を使って手作業していたそうです。その代わりにUVプリントして効率化したいという要望です。
LEF-300のプリント精度の高さを信頼していましたが、大量生産のネックは位置合わせのための治具です。2ヶ月間何度も試作して、ついに繰り返し精度を担保する治具の固定方法を発見しました。

100分の1mmの寸法公差で工業用製品の量産に成功

高さ200mmに対応したLEF2-300Dを増設

その結果、LEF-300を使って、100分の1mmの寸法公差でプリントが可能になりました。最終的にはそのメーカーから30万個のプリント注文を受注し、不良率も1％以下に抑えられました。
大量生産しても、失敗する時は治具に部品を置く時に向きを間違えてしまうという人為的なミスによるもの。LEF-300のプリント精度の高さには絶対の信頼を置いています。

こうして超高精度の色入れ技術で特許を取得し、一流筆記具メーカーからも高い評価をうけています。工業用製品の注文は他のメーカーからも継続して入るため、新製品のLEF2-300Dを2021年に増設しました。
以前、お客様に「高さ100mmまでしかプリントできないのか」と言われたこともあり、高さ200mmに対応したLEF2-300Dを選びました。

キーホルダーへのプリントなら他社機でもできますが、工業用製品が量産できる機会は精度の高いLEFシリーズだけです。工業用製品をUVプリントする業者が増えて真剣に取り組めば、UV-LEDプリンターの可能性はもっと大きくなると感じています。