1点モノのカスタマイズ製品だからこそ必要だったUVプリンター 半年で2割の仕事が置き換わった

花岡無線電機株式会社   |   東京都

1点モノのカスタマイズ製品だからこそ必要だったUVプリンター 半年で2割の仕事が置き換わった
使用製品:
フラットベッドUVプリンター LEF2-200
アプリケーション:
工業部品/製品への加飾・印刷

ラジオやテレビなど大手放送局のスタジオ作りを請け負う、放送音声設備の老舗メーカー、花岡無線電機様は、1点モノのカスタマイズ製品の製作を得意としてきました。しかし近年では短納期化、低コスト化が進み、シルク印刷では対応できない製作物が増えてきました。それらの問題を解決するために導入したのが、ローランド ディー.ジー.の「LEF2-200」。1点モノのカスタマイズ製品への印刷をどう効率化したのか、花岡克己社長にうかがいました。

代表取締役社長 花岡 克己 様

代表取締役社長 花岡 克己 様

仕様はもちろん、形状やスイッチ、ツマミの数も1つからカスタマイズ

シルク印刷をUVプリントへ置き換え、短納期、低コスト化を実現

シルク印刷をUVプリントへ置き換え、短納期、低コスト化を実現

1925年の創業から現在まで、ラジオやテレビのスタジオで用いられる音声調整卓(ミキサー卓)などの放送用音声設備を作ってきたメーカーで、スタジオのシステム設計から機器の据え付け工事までのスタジオ作り全般を請け負っています。当社は大量生産した放送用音響設備ではなく、要望に応じた1点モノのカスタマイズ品を作ることを得意としています。そのため、カタログに掲載している製品は少なく、同じ製品を作る場合でも、多くて10台程度です。製品内部の仕様をカスタマイズするのはもちろん、形状やスイッチ、ツマミの数なども要望に応じてカスタマイズしています。これまではこれらスイッチやツマミの表示名やボリューム調整の表示をつけるために、シルク印刷を外注していました。しかし、スイッチの表示名が納期間近になっても決まらない、ということがよくあります。カスタマイズ製品としてはお客様に喜ばれていますが、近年では短納期化、低コスト化が進み、シルク印刷での対応が難しくなってきました。

版代がかかるシルク印刷では短納期、低コスト対応が難しい

左写真は同社製品「FU(カフ)BOX」。サイドパネルの木目はUVプリントしたもの。

左写真は同社製品「FU(カフ)BOX」。サイドパネルの木目はUVプリントしたもの。

シルク印刷の版の製作には時間がかかりますし、実際の印刷業務も同様に時間を要します。そのためスイッチの表示名など内容が決まってから製品にシルク印刷を終えるまでには、それなりの納期が必要でした。当社はカスタマイズ製品の製造がほとんどなので、1度作った版を使いまわす機会もほとんどありません。短納期化と低コスト化は急務でした。そんな時に出会ったのが、ローランド ディー.ジー.のUV-LEDプリンターです。

たった半年でシルク印刷の2割がUVプリントに置き換わった

自社製の印刷位置決め治具。

自社製の印刷位置決め治具。

実は、当社のエンターテインメント事業部でのグッズ作りに役立つのではと、約5年前にローランド ディー.ジー.のクリエイティブセンターでおこなわれたUV-LEDプリンターによるスマホケース作り体験会に参加したことがありました。また、都内のモノづくり施設で「LEF2シリーズ」を使って当社の社員証を自作したこともあり、そのクオリティの高さは既に知っていました。ある日、3Dプリンターで出力した試作品を製作する際に、UVプリンターを検討することになりました。それをローランド ディー.ジー.に「LEF2シリーズ」でプリントできるか実験してもらったところ、問題なく仕上がりました。その後、当社でよく使う板金塗装したパーツにインクが密着するかどうか、何度もクリエイティブセンターに足を運んでテストをおこない、これならば本製品にも使えると判断し、2021年11月末に「LEF2-200」を導入しました。他メーカーの製品も知っていましたが、実際に自分で操作して使いやすさや品質の高さを実感していたので迷いませんでした。導入して1ヶ月半は様々な素材にプリントして検証をおこないました。板金塗装などの金属へのプリントには、必要に応じてソフト99コーポレーションの表面改質処理システム「フレイムボンド」を使ってインクの密着性を向上させています。導入以降、1点だけのカスタマイズ品には「LEF2-200」を使うようになり、利用頻度はかなり高く、半年間でシルク印刷の約2割がUVプリントに置き換わりました。「LEF2-200」の導入で版代などのコストが削減でき、納期短縮にも成功しました。板金塗装したパーツへのプリントだけでなく、これまでシール印刷して貼り付けていた部分をプラスチック版にUVプリントして貼り付ける手法に替えたところ、品質の向上と、手間が大幅に削減できることがわかり、今後本格的に取り組んでいく予定です。カスタマイズ品ゆえに1つ1つ形が違うため、UVプリントの位置合わせが難しい部分もあります。しかし、自社で機構設計をおこなっているので、治具を製作することで精度の高い位置調整ができるようになりました。

イニシャルコストがかからないのに付加価値を簡単につけられる

フレイムボンドを使って板金塗装した金属パーツの表面を改質し、インクの密着度を上げている。

フレイムボンドを使って板金塗装した金属パーツの表面を改質し、インクの密着度を上げている。

当社の製品を入れる化粧箱のデザインを変更し、「LEF2-200」で直接プリントをおこないました。化粧箱1つのために、わざわざパッケージ印刷で製作することはできませんが、「LEF2-200」は立体物に印刷できるため、付加価値を簡単につけることができました。また、そのためのイニシャルコストがかからないことも大きな魅力です。今後は当社のノベルティ作りにも「LEF2-200」を活用していきたいと考えています。

花岡無線電機株式会社様公式サイトhttps://www.hanaoka-m.co.jp/index.html

フラットベッドUVプリンター 最新機種

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