BN2-20導入でデカール作業時間が1/5に短縮

ブシロードグループのグッズの企画、開発、発売業務をおこなう。また、グッズ販売イベントの企画、運営やECサイトの運営も手がけています。

（左）MD制作部　デジタル制作チーム　チームリーダー　制作管理チーム　近藤 尚之 様
（右）株式会社ブシロードクリエイティブ　MD制作部　部長　江崎 徹哉 様

フィギュアのデカール製作に苦労していた

水転写デカールの施工風景

ブシロードクリエイティブは、ブシロードのグループ会社として、グッズの企画・製造・販売をおこなっている会社です。
ブシロードは「新時代のエンターテイメントを創出する」ことをミッションとし、「IPディベロッパー戦略」のもと事業を展開していますが、弊社はそのMD（マーチャンダイジング）を担当しています。
弊社が開発する商品は多岐に渡り、その数は年間約1万点にもなります。カプセルトイやアニメグッズ、ゲームセンターのプライズやイベント・催事で販売するグッズ等になります。

BN2-20導入のきっかけは、ワンダーフェスティバル（造形メーカー海洋堂が主催するガレージキットのイベント）でした。
2023年夏の開催時、 ローランド ディー.ジー.が出展しており、デカールの印刷ができるマシンを販売していることを知りました。
弊社では、長年、デカールの印刷に課題を抱えていたため、興味を持ちました。「白色の印刷もできる」「透明なデカール紙に対応している」「導入しやすい価格」など多くの特長があったため、すぐに購入を決めました。デカール以外にも、ステッカーやラベルなど幅広い用途に使えることも購入の後押しとなりました。

一工程で白とカラー印刷、カッティングまで対応

フィギュアの瞳のデカール印刷

課題だったのは、フィギュアの瞳のデカール印刷です。瞳や細かい模様の部分等は手作業で塗るより、水転写のデカールを使用した方が圧倒的に仕上がりが良くなるため、デカールを用いることが多いです。
これまではインクジェットプリンターやレーザープリンターでデカールを印刷したこともありましたが、なかなかうまくいきませんでした。あるインクジェットプリンターでは、インクが水に溶けてしまうため、プリントした後にスプレーでコーティングし、乾燥させる作業が必要でした。
レーザープリンターを試したこともあるのですが、こちらは精度があまり良くありません。それぞれ一長一短がありました。

BN2-20を使うことで、こういった問題はなくなりました。表現に合わせて、白や透明の塩ビを選んで印刷できますし、白色も工程数を増やさずに印刷ができます。マシンによっては白インクが高価な場合があったのですが、そういう心配もありません。
一工程で「カラー4色＋白色」の印刷とカッティングができますので、非常に効率的です。

おかげで、導入後の現在では、デカールを貼るまでの時間を大幅に短縮できました。作業時間は導入前の1/5程度になっています。
BN2-20の先代モデル（BN-20）も試したことがあるのですが、今のモデルは印刷スピードが圧倒的に速くなっているので、よりその効果を実感しています。

少部数のラベル製作が実現

導入して間もないにも関わらず稼働率は非常に高い

フィギュアでのデカール印刷がメインの用途ですが、シールやステッカー、ラベルの印刷にも使っています。
イベント会場の壁面が寂しいときにワンポイントで大きなシールを作って貼ったり、店頭に飾るフィギュアの什器の背景をユポ紙で印刷したり、販促用に配布するステッカーを作ったり。少部数でもコストを気にせず、すぐに製作できるようになったのは非常に大きいです。

「試作」にも活用　用途はさらに広がる

グッズにもBN2-20は活用されている

デカール印刷に関しては、この業界の人はみんな苦労しているので、BN2-20には多くの方が興味を持つと思います。作業者の負担が劇的に削減され、生産性向上に貢献してくれます。
BN2-20は様々な可能性を持っていると思います。例えば、「オリジナルキャラクターの試作」です。カプセルトイなどの新しい商品の企画をした際に、BN2-20で印刷してみて、サイズ感や品質を確認するようにしています。上手に活用し、新たな表現の製品を開発できればと思っています。