UVプリンターの基本知識:メーカーが詳しく解説

UVプリンターの基本知識:メーカーが詳しく解説

UVプリンターは、アクリルグッズやスマホケースなどのグッズ製作のシーンで、近年ますます注目を集めています。 しかし一方で、「UVインクって何?」「どんな素材に印刷できるの?」「他のインクとの違いは?」といった疑問を持つ方も少なくありません。 本記事では、そうした疑問をお持ちの方に向けて、UVプリントの仕組みやインクの特性、プリンターの種類や活用シーンまで、メーカーの視点からわかりやすく解説します。ぜひ参考にしてください。

  1. UVプリントとは?
  2. UVプリントの特長
  3. 他ジャンルのインクとの比較
  4. UVプリンターの種類
  5. Roland DGのUVプリンターの強み
  6. Roland DGのUVプリンターで印刷可能な素材
  7. 当社製品のご紹介

UVプリントとは?

UVプリントは、紫外線(UV)を照射することで、瞬時に硬化・乾燥する「UVインク」を使用する印刷手法です。アクリル・木材・金属・ガラスを含むさまざまな素材に直接プリントでき、乾燥時間が不要なため、即座に仕上がります。

UVプリント
動画でわかりやすく解説

UVプリントの特長

  1. 幅広い素材に対応 ーUVインクは素材に浸透せず、表面で硬化するため、特別な受理層を持つ専用メディアが不要、材料を選びません。これにより、木材、プラスチック、金属、皮革、ガラス、アクリルなど、多様な素材に直接印刷が可能です。
  2. 小ロット生産が可能 ーインクジェットプリンターは製版が不要で、1個からの生産が可能。試作やカスタマイズ製品に適しています。在庫リスクを抑えつつ、多品種・少量生産を短期間に 低コストで実現します。
  3. 速乾性 ーUVインクは即時に硬化するため、乾燥時間が不要です。印刷後すぐに検品作業や梱包、発送などの次の工程 へ進めるため、効率的な生産が可能です。

他ジャンルのインクとの比較

UVインクは、ほかのインクと比べてどのような特長があるのでしょうか?以下の表で、水性インク・溶剤インクと比較してみました。

インク種類 耐水性 耐候性 乾燥時間 対応素材 メリット 
水性インク × 数時間 紙を中心としたインク受理層のあるメディア 発色が良い、環境に良い
溶剤インク 約一日 塩ビを中心とした、インク受理層のあるメディア 屋外耐候性に優れる
UVインク 速乾 幅広い素材に対応 多彩なメディア適正、速乾性

UVインク定着の仕組み

UVインク定着の仕組み

その他インク定着の仕組み(例:溶剤インク)

その他インク定着の仕組み

UVプリンターの種類

  1. フラットベッド型
    • 印刷テーブルが昇降し、立体的な商品やグッズに直接印刷が可能。
    • 厚みのある素材にも対応し、ガラスやアクリル、木材のような素材や、アクキー、アクスタ、ゴルフボール、スマホケースなどのグッズ、金属やアルミ、ステンレスのような銘板などへの印刷に適しています。
  2. ロールtoロール型
    • 紙やフィルムなどのロールメディアに印刷できる。
    • ステッカーやラベル、ポスターや屋外広告の製作に適しています。
UVプリンター

Roland DGのUVプリンターの強み

  1. 柔軟性の高いインク
    • UVインクは一般的に硬化後の膜が硬く、折り曲げに弱い特性があります。しかし、Roland DGのUVインクは柔軟性が高く、皮革やゴム、軟質塩ビ などのやわらかい素材にも対応可能です。
    高い柔軟性
  2. 白・クリアインクによる表現力
    • 高濃度の白インクを搭載し、透明素材、黒などの濃色素材や金属にも鮮やかに印刷。
    • クリアインクで点字のような厚盛印刷や光沢・マット仕上げ、凹凸表現が可能。
    白・クリアインクによる表現力
  3. 密着性を高めるプライマーインク
    • アルミ、ステンレス、ガラスなど、通常印刷が難しい素材への密着性を向上。
    • 高速プライマーモードにより、下処理時間を大幅に短縮。
    • 密着性を高めるプライマーインク
  4. オレンジ・レッドの特色インク
    • CMYKの掛け合わせでは難しい鮮やかな色表現が可能。
    オレンジ・レッドの特色インク
  5. 業界初のUVデカールインク
    • 印刷したインクそのものがデカールシールとして機能。
    オレンジ・レッドの特色インク

Roland DGのUVプリンターで印刷可能な素材

印刷しやすい素材 木材、皮革、紙、ABS、ポリカーボネート、PVC、
アクリル、PET…etc
プライマーインクで対応可能な素材 アルミ、ステンレス、ガラス …etc
印刷できない素材 シリコン樹脂、撥水コート面 …etc

UVプリンターの活用事例

  1. オリジナルグッズ、カスタムグッズ生産
    • アクリルキーホルダー、スマホケース、ゴルフボール、オリジナルギフトなど、多彩な製品を少量から生産可能。
  2. 自社商品の試作や開発
    • 銘板、部品、プレート、パネル、金型レスでのシボ表現確認など、開発・設計の場面でも活躍。
  3. 3顧客体験(CX)向上
    • ワークショップや店頭でのオリジナルデザイン制作により、ブランドの付加価値を向上。

当社製品のご紹介

  1. フラットベッド型UVプリンター
    • MOシリーズ:生産性が高く、本格的なグッズ量産ビジネスに最適。
    • BDシリーズ:小型で低価格帯、試作や少量生産に適したモデル。
  2. ロールtoロール型UVプリンター
    • LGシリーズ:クラス屈指の高速印刷を誇るハイエンドモデル。
    • MGシリーズ:コンパクトで多用途性に優れたスタンダードモデル。