UVプリンターは、アクリルグッズやスマホケースなどのグッズ製作のシーンで、近年ますます注目を集めています。 しかし一方で、「UVインクって何?」「どんな素材に印刷できるの?」「他のインクとの違いは?」といった疑問を持つ方も少なくありません。 本記事では、そうした疑問をお持ちの方に向けて、UVプリントの仕組みやインクの特性、プリンターの種類や活用シーンまで、メーカーの視点からわかりやすく解説します。ぜひ参考にしてください。
- UVプリントとは?
- UVプリントの特長
- 他ジャンルのインクとの比較
- UVプリンターの種類
- Roland DGのUVプリンターの強み
- Roland DGのUVプリンターで印刷可能な素材
- 当社製品のご紹介
UVプリントとは?
UVプリントは、紫外線(UV)を照射することで、瞬時に硬化・乾燥する「UVインク」を使用する印刷手法です。アクリル・木材・金属・ガラスを含むさまざまな素材に直接プリントでき、乾燥時間が不要なため、即座に仕上がります。

動画でわかりやすく解説
UVプリントの特長
- 幅広い素材に対応 ーUVインクは素材に浸透せず、表面で硬化するため、特別な受理層を持つ専用メディアが不要、材料を選びません。これにより、木材、プラスチック、金属、皮革、ガラス、アクリルなど、多様な素材に直接印刷が可能です。
- 小ロット生産が可能 ーインクジェットプリンターは製版が不要で、1個からの生産が可能。試作やカスタマイズ製品に適しています。在庫リスクを抑えつつ、多品種・少量生産を短期間に 低コストで実現します。
- 速乾性 ーUVインクは即時に硬化するため、乾燥時間が不要です。印刷後すぐに検品作業や梱包、発送などの次の工程 へ進めるため、効率的な生産が可能です。
他ジャンルのインクとの比較
UVインクは、ほかのインクと比べてどのような特長があるのでしょうか?以下の表で、水性インク・溶剤インクと比較してみました。
インク種類 | 耐水性 | 耐候性 | 乾燥時間 | 対応素材 | メリット |
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水性インク | × | △ | 数時間 | 紙を中心としたインク受理層のあるメディア | 発色が良い、環境に良い |
溶剤インク | 〇 | ◎ | 約一日 | 塩ビを中心とした、インク受理層のあるメディア | 屋外耐候性に優れる |
UVインク | 〇 | 〇 | 速乾 | 幅広い素材に対応 | 多彩なメディア適正、速乾性 |
UVインク定着の仕組み

その他インク定着の仕組み(例:溶剤インク)

UVプリンターの種類
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フラットベッド型
- 印刷テーブルが昇降し、立体的な商品やグッズに直接印刷が可能。
- 厚みのある素材にも対応し、ガラスやアクリル、木材のような素材や、アクキー、アクスタ、ゴルフボール、スマホケースなどのグッズ、金属やアルミ、ステンレスのような銘板などへの印刷に適しています。
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ロールtoロール型
- 紙やフィルムなどのロールメディアに印刷できる。
- ステッカーやラベル、ポスターや屋外広告の製作に適しています。

Roland DGのUVプリンターの強み
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柔軟性の高いインク
- UVインクは一般的に硬化後の膜が硬く、折り曲げに弱い特性があります。しかし、Roland DGのUVインクは柔軟性が高く、皮革やゴム、軟質塩ビ などのやわらかい素材にも対応可能です。
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白・クリアインクによる表現力
- 高濃度の白インクを搭載し、透明素材、黒などの濃色素材や金属にも鮮やかに印刷。
- クリアインクで点字のような厚盛印刷や光沢・マット仕上げ、凹凸表現が可能。
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密着性を高めるプライマーインク
- アルミ、ステンレス、ガラスなど、通常印刷が難しい素材への密着性を向上。
- 高速プライマーモードにより、下処理時間を大幅に短縮。
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オレンジ・レッドの特色インク
- CMYKの掛け合わせでは難しい鮮やかな色表現が可能。
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業界初のUVデカールインク
- 印刷したインクそのものがデカールシールとして機能。
Roland DGのUVプリンターで印刷可能な素材
印刷しやすい素材 |
木材、皮革、紙、ABS、ポリカーボネート、PVC、 アクリル、PET…etc |
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プライマーインクで対応可能な素材 | アルミ、ステンレス、ガラス …etc |
印刷できない素材 | シリコン樹脂、撥水コート面 …etc |
UVプリンターの活用事例
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オリジナルグッズ、カスタムグッズ生産
- アクリルキーホルダー、スマホケース、ゴルフボール、オリジナルギフトなど、多彩な製品を少量から生産可能。
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自社商品の試作や開発
- 銘板、部品、プレート、パネル、金型レスでのシボ表現確認など、開発・設計の場面でも活躍。
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3顧客体験(CX)向上
- ワークショップや店頭でのオリジナルデザイン制作により、ブランドの付加価値を向上。