HOME > オリジナルタープ編 DEAD ROCK VILLAGE(野外音楽フェスサークル)×e-bird(Web 制作会社) 前編
音楽好き人間にとって、夏の過ごし方はひとつしかない。全国さまざまな場所で行われる野外イベント、いわゆる”野外音楽フェスティバル”への参加だ。この野外フェス、数日間にわたって行われることもあり、キャンプ形式で行われる”キャンプインフェス”も近年増加傾向にある。週末のひとときを大好きな音楽にどっぷりと浸かってリフレッシュ。仕事も学校も、日常生活を少しだけエスケープした空間に身を置く醍醐味は参加した者でないと得られない。 〝参加することに意義がある〟とは誰かが言った言葉だが、それはまさに野外フェスのためにある。どうせ参加するなら、全力で楽しみたい。そのためには、モチベーションもアガるアウトドアグッズを手に入れなくちゃ。誰も持っていないオリジナルグッズを携えれば、仲間同士の絆も深まるというもの。 そこで今回、そんな野望を叶えるべくRoland DGのカッティングマシン「STIKA」(ステカ)が大活躍。国内外の野外音楽フェスに参戦するサークル「DEAD ROCK VILLAGE」が、どこにもないオリジナルの ”タープ”(日よけ)を作り上げた!
DEAD ROCK VILLAGE
栗原一郎さん
本職はシステム開発会社に勤務する実直な社会人だが、その実態は年収の大半を国内外の野外音楽イベントにつぎ込む猛者。共通の趣味を持つ仲間同士でゆる〜くスタートした野外音楽フェスサークル「DEAD ROCK VILLAGE」も、今や20人を越える大所帯となった。仲間からの人望も高い「DEAD ROCK VILLAGE」のリーダー。
DEAD ROCK VILLAGE
池田大樹さん
本職はクリエイティブ系書籍を多く扱う出版社の営業マン。栗原さんとは学生時代からの友人という間柄で、当時から一緒に野外音楽フェスに参戦してきた。あうんの呼吸で物事を進行できるDEAD ROCK VILLAGEの”切り込み隊長”今回のチャレンジでは、その行動力を活かしてさまざまな折衝やリサーチを担当。
DEAD ROCK VILLAGE
株式会社イー・バード
坂東丈寛さん
仕事を通じて知り合った池田さんと共通の話題で盛り上がってしまい、DEAD ROCK VILLAGEに巻き込まれた?株式会社イー・バードのWebデザイナー。今回は本職を活かし、オリジナルグッズ制作のブレーンとしてロゴデザインやSTIKAの操作・実制作を担当。今回のチャレンジでイー・バードにも新ビジネスが!?
ユーロポート株式会社
サイン事業部
伊藤歩未さん
東京都台東区にあるサイン向けカッティングマシンやインクジェットプリンタの販売代理店「ユーロポート」でWebデザインを担当。今回、カッティングマシンのプロとしてこのチャレンジをサポートしてくれた。販売からアフターケアまで万全の代理店とあって伊藤さんの知識は豊富。今回のチャレンジに欠かせないサポーター。
システム会社に勤務する栗原一郎さんの年間計画は、野外フェスのスケジュールを元に作られる。年収の大半をその費用につぎ込むというのだから、その思いも半端なものではない。
最初に参加したのは7年前の『FUJI ROCK FESTIVAL』。日本でキャンプインフェスの形を定着させた老舗の野外フェスだ。栗原さんは当初からテントを持ち込み泊まり込みで参加。そのうちに、栗原氏の周りには音楽好き、フェス好き、アウトドア好きな仲間が集まるようになり、現在では総勢20人近いサークル「DEAD ROCK VILLAGE」としてテント村を作ることが恒例になってきた。
「サークル名は、普段は仕事にがんじがらめ(=DEADLOCK)になってるけど、そこから一瞬でも逃げられる場所がある、それに”ROCK”をプラスして付けた造語です。学生の頃はただ好きな音楽を聴いて踊れればOKだったフェスも、社会人になってからは自分だけの楽しみ方を自由に創造することが面白くなってきました。とくに印象的だったのはアメリカやイギリスのフェスで見たキャンプ場の風景です。音楽の趣味とかを反映したオリジナルのテントやタープを持ち込んですごく自己主張してる。ただキャンプしてるだけじゃない、参加する人たちでカルチャーを作ってるんですよね」(栗原一郎さん)
海外フェスの経験から、珍しいタープやテントがあればそれをきっかけに自然に参加者同士でコミュニケーションが生まれ、大きな輪に繋がっていくという楽しみ方を知った栗原さん。音楽を楽しむだけではなく、もっと積極的にフェスを盛り上げたいという気持ちが生まれたのも当然の流れだろう。
「せっかく仕事を休んでフェスに参加するなら、思いっきり楽しみたいじゃないですか。学生時代とは違ってグッズや滞在に掛ける費用には余裕があるんだし、受け身になって音楽を楽しむだけじゃなくてフェスそのものをもっと盛り上げたい。そこで今年は、DEAD ROCK VILLAGEオリジナルのアウトドアグッズを作ってみようと思っています」と栗原さん。そこで声を上げたのが、SPグッズ制作やデザインに関わりの深い坂東さんと池田さんだ。DEAD ROCK VILLAGEの仲間でもあり、本職はグラフィックデザイナーと出版社の営業マンという2人が、栗原さんの思いを受けて「自分たちが本当に欲しいオリジナルアウトドアグッズ」の制作に乗り出した。
栗原さんのリクエストを受けて「DEAD ROCK VILLAGEオリジナルのテントやタープを作るなら」と坂東さん(写真左)が考えたのがステッカーを貼るだけでオリジナルグッズが作れる「カッティングマシン」。2010年3月、池田さん(写真右)と連絡を取り合い、カッティングマシンの販売店、ユーロポート株式会社を訪れた。 協力してくれたのは、ユーロポートのWebデザイナー・伊藤歩未さん。カッティングマシンの特徴や使い方、アウトドアグッズに貼る用途で最適なシート選び、デザイン時の注意点など、カッティングマシンの疑問をぶつけてみよう。
「テントやタープのような防水加工された布地に貼るステッカー作りであれば、マシンは『STIKA』が最適です。他社のカッティングマシンは長さの違う刃のキャップを取り替えるため、カットできるシートの厚さに制限があります。それに比べてSTIKAは刃の長さを無段階調整できるので、シートの厚さに左右されることがありません。STIKAの実物はご覧になったことがありますか? 実際のサイズはこんなに小さいので、机の上で作業できるんです。カット作業の指示もPCで制御できるので、まず失敗することはないでしょう」(伊藤歩未さん)

「テント素材は表面がザラザラしているので、ラメや蓄光シートだときちんと貼り付けられない可能性があります。『Eカルテント』は色も豊富ですし、元々テント生地に貼ることを想定したシートなので耐候性も3年〜5年と長寿命。アウトドア用途にピッタリですよ」(伊藤歩未さん)
「でも、テントやタープが見つからないのは昼間より夜のほうが問題なんですよね」(坂東&池田さん)
「確かにそうですね(笑)。では、蓄光シートを貼るのはどうでしょうか。ホログラムや金・銀といったシートもありますし、どれも発色性は高いのでかなり目立つものが出来上がると思いますよ」(伊藤歩未さん)
「ポイントは少しずつ貼り付けることです。空気が入らないように、ゆっくり接着面に圧力を掛けてくださいね。貼り付けたときはまだ仮留めの状態なので、ドライヤーの熱風を吹きかけながら当て布の上からこするように押さえつけると上手くいきますよ。それに、欲張って大きなサイズのものを作らないこと、細かい作業が必要なので焦らないこともポイントですね。それと、カッティングマシンのカッター刃は出し過ぎないようにしてください。指先で触れて少しあたってるくらいで十分ですから」(伊藤歩未さん)
「なんだか自分たちでできそうな気がしてきたね。Webでも購入できるようなんですが、ここでも買えますか?」(坂東&池田さん)
「もちろん購入いただけますが、Webサイトでは10種類のフィルムやアイロンプリントシート、サンプル帳が付くセットモデルも用意しています。カード決済にも対応しているので、直販とはいえ決済方法の選択ができますよ」(伊藤歩未さん)
手前に見えるのがお目当ての「STIKA」。なるほど、デスクトップサイズで省スペース。
伊藤さんのお薦めはカラーバリエーションも豊富な「Eカルテント」。長期使用に向いたカッティングシートだ。
「STIKA」の特徴でもある刃先調整の方法を伊藤さんが実演。テストカットを行い、シール部分だけにカッター刃が入り、シートを切り抜いてしまわないように刃先の長さを微調整する。
ミーティングに参加した町田太郎さん(左)、栗原一郎さん(左から2番目)、池田大樹さん(左から3番目)、柳澤奈緒さん(右)。
さらに本郷泰司朗さん(右)も加わり、カッティングマシンの事例を池田さんが説明していく。
DEAD ROCK VILLAGEテント村の印になっていた旗。似たようなテントが密集する場所では、こうした目印がないとテントやタープが見分けられなくなってしまうそうだ。 果たして、これ以上に目立つモノはできるのか!?
ユーロポートでのリサーチを経て、後日集まったメンバーを前に「坂東君のアイデアで〝カッティングマシン〟をみんなで買おうと思うんだけどどうかな?」と提案した池田さん。 そこでメンバーからは「カッティングマシンって何に使うの?」という声が上がり、以下の4つのポイントを中心にカッティングマシンの特徴を解説することになった。

「ちょっと待って! 10万円以内でこんなにいろいろ作れるの?」とサークルメンバーから驚きの声が。池田さんが見せたSTIKAの事例に驚いたようだ。
池田: 10人で割れば予算として考えていた1人/1万円より抑えられるし、これだけいろいろ作れると持ってて損じゃないよね。
栗原: Tシャツにヘルメットかぁ。面白いね。これでやってみようよ。ちょうど今年は「タープを新調しよう」って話してたじゃない? だから、今までの〝旗〟より目立つタープを作って周りの人をビックリさせよう(笑)。
池田: いいね! 大人の本気を見せてやる!(笑)
というわけで、DEAD ROCK VILLAGEオリジナルグッズは「タープ」を作ることに決定。
池田さんは坂東さんと連絡を取り合い、メンバーの意向を伝えるべく動き出した。
池田さんが「参考に」とメンバーに見せたSTIKAの事例。
さまざまな使用用途を見て、すぐにメンバーからのOKが得られた。
「STIKA」でオリジナルタープを作ろう! とDEAD ROCK VILLAGEメンバーの意思も固まった。次は、工程の中でももっとも重要になるデザイン作業だ。春にスタートしたタープ制作も野外フェスを目前にした夏を迎えて本格始動。髪を切ってイメージチェンジした坂東さんと池田さんによるデザイン案のアイデア出しが始まった。

フェスって言うと、やっぱり〝ウッドストック〟でしょ。それに、「ロック」「サイケ」っていうテーマは絶対盛り込もう。 これはないと作る意味がないからね。昔の映画のポスターとかレコードジャケット見ると、ぶっ飛んだデザインが多いじゃない? そういうのをモチーフにして、遠くから見ても一発で分かるようなド派手なものを作りたいね。

いよいよ夏フェスシーズンか。時間が経つのは本当に早いよね。春にユーロポートで見せてもらったときから考えていたんだけど、カッティングシートの種類もたくさんあったし、いろんな色も使いたいと考えているんだけどどうだろう?ビビットなピンクやオレンジとかも使って、できるだけ〝バカっぽい〟イメージで。
DIY作業だから、それも考慮したデザインにしなくちゃなぁ……。

70年代のバンドっぽくスピリチュアルなモチーフを入れても面白いんじゃないかな。ヨガポーズとか宇宙の惑星とか、とにかく思考が飛んじゃってるような感じで。タープって平面だし凸凹が少ないから、モチーフのステッカーを作ってバンバン貼っていくっていうのはどうだろう。それだったら、俺たちだけでもできそうじゃない?

ロック、サイケ、スピリチュアル、宇宙か。少しテーマが見えてきたね。ステッカーを貼るだけだと面白くないから、タープにも少し手を加えようか。とにかくオリジナリティを追求して、周りの人から「バカだな〜」って話題にされるくらいのものを作ろう!

タープの色はどうする? やっぱり地味目なほうがいいのかな? いかにもアウトドア!ってヤツだとカッティングシートが浮いてしまわない? 自分達で作業するとは言っても、安っぽくなるのは避けたいね。できるだけプロの仕事っぽく見せたいな。

タープの色はかなり重要だね。「黒」とかの無彩色だとカッティングシートの色も映えると思うんだけど、それも含めて、ちょっと探してみようか。とにかく、みんなに「すごくバカっぽくてカッコイイ!」って言ってもらえるものを考えてみるよ。
その後、坂東さんがイメージする世界を具現化できる〝黒いタープ〟も見つかり、早速デザインに取りかかった坂東さん。
「DIYでできる範囲」という制約の中で自分たちが納得できるものを作ろうと、デザイン作業も試行錯誤の連続だったようだ。
それでも、満足のいくデザインを仕上げた坂東さんは、池田さんに連絡を取った。
その後、坂東さんがイメージする世界を具現化できる〝黒いタープ〟も見つかり、早速デザインに取りかかった坂東さん。
「DIYでできる範囲」という制約の中で自分たちが納得できるものを作ろうと、デザイン作業も試行錯誤の連続だったようだ。
それでも、満足のいくデザインを仕上げた坂東さんは、池田さんに連絡を取った。


坂東さんから池田さんに提案したラフデザイン。
さまざまなグラフィックをバランス良く配置し、フェスの賑やかさやロック&サイケテイストが盛り込まれた仕上がりになった。タープの色はあえての「黒」。多様なステッカーを使いたいという坂東さんのこだわりで、相当な時間を掛けて探し出したそうだ。
「タープ全体にペンキを散布して星空を表現する」というアイデアで、さらにオリジナリティをプラス。