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静岡県立科学技術高等学校

http://www.sths.ed.jp/

情報システム科

2011年3月取材

使用システム

導入機器

使用ソフトウェア

  MDX-500 3Dデザインソフト:Shade (イーフロンティア社)
    3D CAM:Roland MODELA Player 4
      2.5D CAM:Roland Dr. Engrave

加工材料

  アクリル、ケミカルウッド、木材
学校紹介

静岡県立科学技術高等学校は、2008(平成20)年4月に、静岡工業高等学校と清水工業高等学校を発展的に解消し、新しく静岡市葵区に開校しました。
企業内ネットワーク、インターネット、デジタル放送、デジタル通信などの普及により、多くのIT技術者が必要とされています。情報システム科では、時代の最先端を担う人材の育成を目指して、プログラミング、静止画・動画の編集、ネットワークの構築と多様なIT技術に対応できるように基礎から学習します。
卒業後は、IT関連分野の技術者として就職、あるいは大学等の情報システム分野・マルチメディア分野に進み、将来のスペシャリストを目指します。

 

概要

見城和仁先生(左)と大塩彩菜さん(右)

Roland MODELA Pro MDX-500を採用。学科のものづくりツールとして、3年生の課題研究・選択授業や部活動で使用されています。

導入のポイント

(情報システム科 教諭 見城和仁先生 談:2011年3月)


●MDX-500の使われ方

2010年度課題研究作品「つながった わ」

2次元の画面を3次元表現し、実際の立体に起こして実感してもらうための、ものづくりの加工機として使っています。3年生の「課題研究」で部品やジグを作る工具として使うほかにも、「情報処理研究部」という部活動で、学校祭で配布する記念品を作ったりしています。

 

●MDXの評判

精度が良いので、アクリル板にLEDをとりつけるのもブッシュを使わず穴を開けるだけですみます。生徒はもちろん、教員にとっても、精度良くものができることは便利であり「え、これができたの!」という驚きがあります。「じゃあ、こんなのもできる?」と頼まれたりもします。正12面体模型などは、ぴったり合わせるには接合面の角度を計算しないといけないので数学的にも面白い題材でした。

 

●MDXによって得られる教育的効果について

電子サイコロ:アクリル。LEDはめ込み

正12面体模型:アクリル材

MDXを使うことで縦・横・斜めと多面的に立体を見ることができるようになって欲しいと思っています。この学科に来る子どもたちは、CGクリエイターやゲームプログラマーになりたいという子が多いのですが、入学して1年目では立体の図面が描けていない。本人たちは立体として描いているつもりなんですが、何となくと違和感があります。3次元表現の教育には平面だけではなく、立体を使って教えたいと思っています。例えば、サンドブラストも行っていますが、これも絵を描かせることだけが目的ではなくて、ガラスコップのような曲面に表現したときに、実際にはどう見えるのかというのは、やらないと本当にはわからないからなんです。リアル感を持たせるためにはこういう事が必要だと考えています。
MDXで作るにはいろんな工具を使う必要があります。今、子どもたちの日常にはものづくりの機会が減ってしまって、スパナでねじを締めたことがなかったり、インチとミリの違いもわからずに入学してくる生徒もいます。材料を鋸で切り出したり、寸法をはかるのに曲尺やノギスを使うことも良い体験になっています。

 

●導入にあたっての選定理由

清水工業高等学校時代に導入されたので、詳しくわからない部分もありますが、科の生徒にとっては機械加工、特に旋盤やフライスなどはなじみが薄いので、生徒にも使いやすい機械として導入されたのだと思います。「普段使っているパソコンがやってくれるんだよ」と言うと生徒も取り組みやすいですね。

 

●不安と対応策

最初は、どんなツールが要るのかもわからず、ツールの寿命や材料費などランニングコストと加工時間の見当がつきませんでした。教えに来ていただいてから、自分でも使い始め、さらに全国工業高等学校長協会主催のローランドの講習会に参加して、不安を解消することができました。長時間かかるものも、仕掛け方の判断ができるようになって、製作時間の目途がつくようになりました。

 

●今後の展開

現在はCGやCADも授業では教えていませんが、これまでの活用を基にして「3Dのものづくり」教育を深めたいと考えています。そのための提案をできるように今後、研究・検討していく考えでいます。

 

活用実績
●課題研究製作品 大塩彩菜 「つながった わ」 2010年度
 

課題研究のテーマときっかけ

大塩彩菜さんとMDX-500

「つながった わ」完成形:ケミカルウッド

テーマ「CG画面上の3次元データを実際に立体にする」
作ったのは、切れ目のない2つの輪が組み合わさった形状です。2年生の時、部活動(情報処理研究部)で顧問の見城先生が使うのを見ていたので、いろいろなものができることは知っていました。3年生になって課題研究で、CGソフトのShadeでモデリングした3次元データを、ローランドの機械を使って実際に立体にするというテーマで取り組むことにしました。3次元の加工はやったことが無かったのですが、ローランドのホームページにある大学の事例を見ていて、この形は手では作れるかもしれないけれど機械でどうやるのか取り組んでみたくなりました。先生に相談したら、「先生もわからないから、やってみよう」ということになりました。

 

苦労・工夫したこと

最初、一個だけの輪を両面加工で作りました。その後、つながった輪を両面加工で作ってみたら、想像していたのと実際に削れたのでは出来上がりが違っていました。影(アンダーカット)になる部分が削れなかったのです。どうやら4面加工でやらないといけないとわかりました。そうすると、モデルの支え(サポート)をどのようにつければよいか悩み始めました。どうしても削れない部分があります。輪っかの角度をどうにかしなければいけないということに気がつきました。
材料の位置合わせ、原点設定には特に気を使いました。手元にある材料を使って加工するので、サイズに余裕がなかったんです。
最初は3次元加工の考え方ができなかったので、Z方向の深さを意識しなくて失敗もしましたが、4面加工しても座標がずれないように、何度も工夫して、固定するための板(ジグ)も作りました。
支えもいくつか試してみました、材料や大きさが変わると強度が変わるので、支えのつけ方を変えないといけないこともわかりました。

 

感想

仕上げの木目を活かしたくて、最終的に木材で製作しましたが、本当に、試行錯誤の連続で、失敗もしましたし、何度も試作を繰り返しました。それでも、事例があったことで「これはできるんだ!」と思ってがんばれました。

 

試作の変遷 3Dモデリング:Shade 加工データ作成:Roland MODELA PLAYER4

最終試作:ケミカルウッド 四面加工

 

第一試作:木製 二面加工

         

第二試作:木製 二面加工

         

第三試作、第四試作

第三試作:木製 四面加工の第三面目

第四試作:ケミカルウッド 四面加工

材料固定ジグの工夫  
 

加工データ作成:Roland Dr.ENGRAVE
※MDX 付属2.5次元加工ソフトウェア

加工:MDX-500
材料:木材

センターバイスに装着・固定
上面に強度補強用のアクリル板をとりつけてある

 
 
<画像協力:静岡県立科学技術高等学校 情報システム科>
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