 |
Roland MODELA Pro MDX-500 |
 |
ものづくりデザイン演習課題 私の欲しいスピーカー
「バイオリン曲線を取り入れたスピーカー」
(材料:MDF 加工機:MDX-500) |
(准教授 大渕慶史先生 談:2010年12月)
「ものづくり創造融合工学教育事業」の取り組みとものクリ工房」について
事業では新しい教育プログラムの開発と実践を目指して学部全体で6つのプロジェクトに取り組みました。
| ・ |
各学科における、「ものづくり授業プログラム」の開発と実践計画の公募・助成 |
| ・ |
学生が独自の発想で企画提案した「ものづくり実践プロジェクト」の公募・助成 |
| ・ |
学生が分野や学年を超えてそのアイデアを競う各種コンテストの実施 |
| ・ |
日本の科学技術の発展動向やものづくりの挑戦の足跡などを聞く特別講演シリーズの実施 |
| ・ |
「まちなか工房」(まちづくりサテライト研究室)の整備運営 |
| ・ |
実践的活動の場としての「ものクリ工房」
(学生用試作・工作施設)の整備運営 |
「ものクリ工房」の利用目的の第一にあるのは「学生および教職員の自主的創作活動」です。教育プログラムでは「工学とデザインの融合」によって新たな価値を生み出す環境を作り、デザイン教育による創造性育成を目標のひとつとしています。「ものクリ工房」には自主製作や授業利用の他に、創造性教育の実習授業開発のための「アイデアを試作する実験工作場」としての機能もあります。
MDXの使われ方
MDXは学生も教員も使います。授業でも使用しますし、化学系の学生がアクリルで実験装置を作ったりロボット研究で電子回路のプリント基板を削って作ったりと、いろいろな使い方をしています。学生ものづくりコンテストの作品製作にも使う学生がいます。学生も当初はMDX-40ばかり使っていたのですが、慣れてくると、早く大きなものも作れるMDX-500ばかり使うようになりました。
授業では、工学部の全学科共通選択科目「ものづくりデザイン演習」で使用する学生が増えました。ご覧頂いているような曲面を持ったものは、MDXがあればこその作品でしょう。
MDXの評判
 |
「景観検討用地形模型(ランドスケープ)」
材料:スタイロフォーム (加工機MDX-500) |
MDXを使った学生は、一回使ったら何度も使いたがります。構えることなく気軽に扱っていますね。
発泡材、木材、ワックス、アクリル等いろいろな材料が使えるのも他のRPと違って便利で、材料代も安くすみます。プレゼンテーション用のランドスケープ(地形模型)を初めて発泡材で削った学生が感動していました。なにしろ目の前で地形が出来上がってくるんですから。自分の描いたCADデータが立体になっていく、3Dの造形がこんなに簡単にできるのか、という感動があります。 CADで描いてレンダリングすると、そこでできあがったような気になって終わってしまうんですが、形になることのインパクトは大きいです。
MDXによって得られる教育的効果について
 |
実験装置「ロボットハンド」
材料:POM(MDX-40) |
卒業して「就職したら『製品』を作るんだよ。『製品』というのは人に使ってもらうもので、人のためにする
のが『デザイン』だ。自分の作るものに対して責任を持て。ここは、そういう学部だ」と学生には話しています。 「作る」には描いただけではだめで、削って初めてわかることがあります。工具が通らない個所があるとか、作ってみると強度不足だったとか。CADだけで完成したと思っていたのが、作ってみて未完成だったとわかるんです。特にCAEまで使うようになると、画面の中で全部できているような錯覚に陥ってしまいがちです。CADデータを読み込んでMODELA PLAYER4でデータができた段階で驚いていますよ。まずツールパスに驚く。こんな風に工具が移動するんだというのが目に見えて初めて「作る」ということを実感し始めますね。プレビューするとオーバーハングや狭すぎて工具が通らなくて削れない個所があるのがわかります。それに時間予測ができますね。作るには時間がかかるんだということも驚きのようです。材料についても、今まで自分で作った経験がないと、発泡材とアクリルなどの材質の違いによる加工性の違いにも驚いています。だから、時間をかけてもMDXでやるのか、荒っぽく作っておいて手で仕上げるのかということも考えます。
導入にあたっての選定理由
MDX-40の決め手は、広い加工エリアと回転ユニットがあったことです。MDX-500は後から導入したのですが、より大きなパワーとアルミなど軽金属が削れること、NCコードが使えるのも魅力でした。以前いた大学にMDX-20がありまして、欲しくて使ってみたことがあったんです。熊本大学へ来てMDX-40がちょうど発売になり、「これだ!」と導入を決めました。
導入後の不安と対応
 |
独自に作成した取扱マニュアル(MDX-500) |
「教育がきちんとできるだろうか」ということがいちばんの不安でした。工具の取り付け、原点出しや、ワークの固定、コレットやエンドミルの取り扱いなど。これは私の専門分野が機械工作なのでなおさらで、金属だと失敗すると機械を壊したり、怪我をする恐れもあります。しかし、自分で樹脂、発泡材、ワックスなどを削ってみて「簡単だなぁ」というのが率直な感想でした。「これならいける」と確信しました。 実際の運用では、工房の機器はすべて講習受講後に使えるライセンス制度をとっています。操作手順と注意点をまとめたMDXの取扱マニュアルも独自に作りました。
今後の展開
 |
Roland MODELA MDX-40 |
5年間の取り組みの結果、新規授業6科目、授業改善は85件にのぼりました。「ものづくり実践プロジェクト」の応募も、18年度は常連ばかり5,6件だったのが21年度ではひろく20件の応募がありました。ソーラーカーレースへの参戦、学外コンテストの受賞など、学生の活動も活発になりました。「ものクリ工房」の利用者は平成18年度の1,061人から21年度には約2千人と倍増しています。 もっと授業に「ものクリ工房」を使いたい、という声が教員から増えて、21年度に2倍の面積に増築、作業台15台、パネルソー、RP造形機などの機器を拡充しました。今後3,4年計画でさらに授業改善を進める予定です。1学年次半期の学部共通一般教養科目として「ものづくり早期体験型実験実習科目」を導入したいと考えています。そこでは、旋盤、フライス、モデリングの簡単なものなど、何らかのものづくりをさせたい。そのためにMDX-40を増設したいと考えています。 |